「完全リタイア」と「セミリタイア」
混同されがちなこのふたつですが、意外と大きな違いがあります。
「セミリタイア」節制と適度な労働による定常状態
資産が減らない状態を目指す
「セミリタイア」って和製英語っぽいですが、「半引退semi-retirement」として英語圏でも使われています。
セミリタイアにはいろんな定義がありますが、下記を参照します。
セミリタイアとは、フルタイムの仕事を退職し、労働と生活の適切なバランスをとりもどすこと。消費を減らし、削ぎ落とされたシンプルだが満足度の高いライフスタイルに切り替えることで資産減少を抑制する。分別ある累積貯蓄を活用して、安定した年間所得を得る。
生活の不足分は、まったく新しいマインドで行う適度な量の労働によってまかなう。つまり、最大の収入が得られる仕事を選ぶのではなく、ほんとうに楽しめるストレスの少ない仕事を、息抜きのたくさんある日程で無理なく行うのである。
(Work Less, Live More: The Way to Semi-Retirementより訳 サイト)
セミリタイアは完全な労働フリーではありません。
労働と適切な距離をとって、賃金を中心に置かないライフスタイルということになります。
セミリタイアで重要なのは、生活をシンプルに削ぎ落とす必要があるということです。支出を抑え、不労所得を得ながら、それでも不足が出た部分を労働で補うという考え方です。
つまり、セミリタイアでは「資産が増えないし減りもしない」というような「定常状態」に移行することが重要になるのです。
(平衡状態と定常状態より)
私は「セミリタイアに大きな資産は必要ない」とつねづね述べていますが、資産額よりもこの定常状態に移行することの方がずっと大事だからです。
支出を抑えた分だけ、必要な労働が減って、楽ちんでサステイナブルなリタイア生活になります。
私の生活費は月3万円程度ですが、これぐらいだとうまく金を稼ぐ方法を見つけてバイトしないで済んでます。
「完全リタイア」自由人ライフだが大きな資産が必要
死ぬまで働く必要がない資産を築く
完全リタイアは「働かなくても死ぬまで生きていける」状態でリタイアすることです。世間一般がリタイアと聞いてイメージするのはこれです。
簡単にいえば宝くじで3億当たったから退職するって感じです。
よく言われる「アーリーリタイア(早期引退)」や「FIRE(経済的独立による早期引退)」はこちらです。若隠居と言ってもいいでしょう。
完全リタイアにはかなりの資産が必要です。年齢と生活レベルによりますが、1000万円じゃ無理🤣 私が知る完全リタイア者はだいたい「億り人」です。
一例をあげると「きりんの自由研究」のきりん氏は20代で起こした事業を売却し、その資産(数億円?)で30代前半でリタイアしています。
セミリタイアに比べるとより完全な自由人です。人によっては豊富な資産で貴族みたいな暮らしです。
一方で、巨額の資産が必要なため、ふつうのサラリーマンじゃ難しいでしょう。高収入のサラリーマンや、起業や投資で成功しないと早期実現は難しい。
リタイア生活はふつうの「リッチな退職者」に近く、不労所得がない場合は資産を減らしていく生活になります。
終わりに セミリタイアか完全リタイアか?
まとめると以下のようなイメージになります。
いろいろ突っ込みどころはあると思いますがこらえてください……。あくまでイメージです。
以上見てきたように、セミリタイアと完全リタイアは、労働や生活に対する価値観がかなり違います。(もちろん、これは単なるひとつの定義です。「これがセミ/完全リタイアだ」と言えるようなものではないです)
私が強く感じたのは、完全リタイアはかなり少数の人しか実現できないのに対し、セミリタイアは比較的早く、だれでも実現可能だということです。
完全リタイアには巨額の資産形成が必要ですが、これには才能や運、あるいは継続的な努力と時間が必要です。
一方で、セミリタイアで必要なのは、資産よりも「節制」で支出を抑えること。これならだれでもすぐにできますからね。
私はセミリタイアが裏ルートっぽくて好き
どちらが優れているということはありませんが。
私はセミリタイアの方が好きです。
働かずに金を稼ぐ方法を考えるのは、頭を使って楽しいですし。資産が少ない方が気楽といえば気楽です(負け惜しみか🤣)。
私はセミリタイアは「裏ルート」だと思ってます。
少ない金で自由でハッピーに生きられるなんて、自分がだれも知らない裏技を使ってる気分になります。
そして、金の力ではなく自分の戦略や力で楽しい人生を送れているという感覚は、けっこう素敵なものです😘