30歳1000万円でリタイア

150万円の家でひっそり隠棲 1000万円で生き残る

【徒然草】吉田兼好に学ぶ「日本的セミリタイア」

「ヒマに苦しむヤツってなんなん?」by兼好

吉田兼好の「徒然草」をざっくりと紹介してみます。

吉田兼好のセミリタイアマインド

(ネタがないんよ……)なポーズ

金のために一生懸命働くのはマジでアホだよ

名利みやうりに使はれて、しづかなるいとまなく、一生を苦しむるこそ、おろかなれ。

 たから多ければ、身を守るにまどし。害を賈ひ、わづらひを招くなかだちなり。身ののちには、こがねをして北斗ほくとを支ふとも、人のためにぞわづらはるべき。愚かなる人の目をよろこばしむる楽しみ、またあぢきなし。大きなる車、肥えたる馬、金玉きんぎよくの飾りも、心あらん人は、うたて、おろかなりとぞ見るべき。こがねは山にて、玉はふちに投ぐべし。利にまどふは、すぐれて愚かなる人なり。(徒然草 第三十八段)

要点:

  • 金や名誉のために一生あくせく働くのアホ
  • 財産多ければ管理がたいへん
  • 北斗七星に届くまで財産をあつめても、相続争いでかえって迷惑だ
  • バカを喜ばせるものはつまらん
  • 高級車だの豪邸なんてバカしか喜ばない
  • 金は山に棄てる。宝玉は海に棄てるのがいい
  • 金に惑わされるのはモノホンのアホばかりだ

激しく同意(死語)

名声を追いかけるのもそーとーアホっぽい

 うづもれぬ名を長き世に残さんこそ、あらまほしかるべけれ。位高く、やんごとなきをしも、すぐれたる人とやはいふべき。愚かにつたなき人も、家にむまれ、時に逢へば、高き位に昇り、おごを極むるもあり。いみじかりし賢人・聖人、みづからいやしき位に居り、時に逢はずしてやみぬる、また多し。偏に高きつかさ・位を望むも、次に愚かなり。(徒然草 第三十八段)

要点:

  • 社会的に地位が高いヤツも、立派なひととは限らない
  • ノータリンのアホでも、親ガチャや時の運で総理大臣になれる
  • 賢人や聖人は自分から低い地位に甘んじて、世間から見向きもされず死ぬことがよーある
  • 結局、地位とか名誉にこだわるのも金にこだわることの次にアホくさい

  • 才能があるけど運のない人
  • 運があるけど才能がない人

だったら後者の方がはるかに成功します。

この世はだいたい運なのだ🙄

社会はクソ。ひとりでひっそり暮らそうぜ

 つれづれわぶる人は、いかなる心ならん。まぎるゝかたなく、たゞひとりあるのみこそよけれ。

 世にしたがへば、心、ほかちりうばはれてまどひ易く、人にまじれば、言葉、よその聞きにしたがひて、さながら、心にあらず。人にたはぶれ、物にあらそひ、一度ひとだびは恨み、一度は喜ぶ。その事、さだまれる事なし。分別ふんべつみだりに起りて、得失止む時なし。まどひの上にへり。ひのうちに夢をなす。走りていそがはしく、ほれてわすれたる事、人皆かくの如し。

 未だ、まことの道を知らずとも、縁を離れて身をしづかにし、事にあづからずして心を安くせんこそ、しばらく楽しぶとも言ひつべけれ。「生活しやうくわつ人事にんじ・伎能・学問等の諸縁をめよ」とこそ。摩訶止観まかしくわんにもはべれ。(徒然草 第七十五段)

要点:

  • ヒマに耐えられないヤツってどんな気持ちなん?
  • ひとりでぽやぽや生活するのがいちばん
  • 社会にいれば洗脳されるよ
  • ひとと仲良くすれば相手につい合わせてしまう
  • 競争をはじめたり、奪い合ったり、それで恨んだりぬか喜びしたり
  • だんだんちゃんとした常識を失って、損得ばかり考えるようになる
  • バタバタ動き回るくせに、かんじんなことは忘れる。人間そんなもん
  • 悟りはしらなくても、ひととかかわらず静かに暮せば、希望はあるものだ
  • 「生活や社交やスキルアップや学問などはぜんぶ捨てろ」と摩訶止観にも書いてるだろ

セミリタイアで問題になるのは実は「金」ではない。

「ヒマ」なのです。

が、兼好は「ヒマに苦しむやつの気がしれん」と一蹴してます😂

社畜ライフは「死を忘れられる」が……

地獄都市トキョ……

 ありごとくに集まりて、東西にいそぎ、南北にわしる人、高きあり、いやしきあり。老いたるあり、若きあり。行く所あり、帰る家あり。ゆふべねて、あしたに起く。いとなむ所何事ぞや。しやうむさぼり、利をもとめて、む時なし。

 身を養ひて、何事をか待つ。するところ、たゞ、おいと死とにあり。そのきたる事すみやかにして、念々の間にとどまらず。これを待つ間、何の楽しびかあらん。まどへる者は、これを恐れず。名利みやうりおぼれて、先途せんどの近き事をかへりみねばなり。おろかなる人は、また、これを悲しぶ。常住じやうじゆうならんことを思ひて、変化へんげことわりを知らねばなり。(徒然草 第七十四段)

  • 老人も若者も金持ちも貧乏人も忙しそーに生活している
  • 結局それは長寿や金を求めている
  • 「なにかいいことないかな~🤗」と思っても、やってくるのは老いと死💀
  • あくせく生活してりゃー死ぬことを恐れないけど
  • 結局死はやってくる
  • アホはそのとき悲しむ

「蟻のごとく集まる」

ってハイデガーの「世人(ダス・マン)」ぽい。

←ハイデガー入門におすすめ 筒井御大の本

どうせ死ぬんだから人生楽しめよ

死を憎まば、生を愛すべし

死期しごついでを待たず。死は、前よりしもきたらず。かねてうしろせまれり。人皆死ある事を知りて、待つことしかも急ならざるに、おぼえずしてきたる。おき干潟ひかたはるかなれども、いそよりしほつるが如し。(第百五十五段)

死は未来からやってくるだけではない。過去からもやってくる……😨

人はみんな自分が死ぬと知っていながら、それほど気にしていない。

そんで忘れたころにやってくる。

されば、人、死をにくまば、しようを愛すべし。存命ぞんめいの喜び、日々に楽しまざらんや。おろかなる人、この楽しびを忘れて、いたづがはしくほかたのしびをもとめ、このたからを忘れて、あやく他のたからを貪るには、志満つ事なし。行けるあひだ、生を楽しまずして、死にのぞみて死をおそれば、このことわりあるべからず。人皆生をたのしまざるは、死を恐れざる故なり。死をおそれざるにはあらず、死の近き事をわするゝなり。もしまた、生死しやうじさうにあづからずといはば、まことことわりたりといふべし(徒然草 第九十三段)

要点:

  • 命あるだけでハッピー😍
  • それがわからんアホは、財産だの求めて欲望まみれで永遠に満たされない😯
  • 生きてるときに生きることを楽しまず、死の直前に死ぬのにビビるのは、死をちゃんと恐れてないからだ
  • もし死ぬのが怖くないならそれはすごい。悟りを開いている

「存命の喜び、日々に楽しまざらんや」

ってすげーいい言葉。

生きてるだけで丸儲けです。

生活保護でも、ビンボーでも、平等に日光がそそぎ、富士山がコンニチワします。

人生は短い。

お金を追いかけるヒマがあったら楽しんじゃえばいいのです🤤

終わりに 日本人はリタイア者が大好きだった

古典の授業ではクソつまんなかった思い出。

無職になったいまは心にしみわたります……🤤

「徒然草」

は江戸時代の超ベストセラーでした。

「枕草子」と同じくらい。

「日本人は働きもの」

ってのは近代以降のでっちあげでしょう。

  • すきあらば怠ける
  • 「あくせく働く人生なんてしょーもねー」と労働を拒否する
  • 世間を離れて好き勝手に静かに暮らす生活を追い求める

それが

「本来の日本人」

なのでしょう……😘

←さいきんハマってる中野孝次センセの訳書😘

 

著者:ミクさん - 問い合わせ- 全記事 - 当サイトの著作権はクリエイティブ・コモンズの表示—非営利となります。
ブログ制作日 2019年11月5日 エンジョイリタイアライフ!