「リタイア向きの書籍があれば教えてほしい」
というコメントがあったので紹介します。
- 「ウォールデン・森の生活」H. D. ソロー
- 「ニーチェ みすからの時代と闘う者」ルドルフ・シュタイナー
- 「モモ」ミヒャエル・エンデ
- 「悪魔との対話」ブッダ
- 「マズローの心理学」フランク・ゴーブル
- 終わりに
↑大学のときの本棚……というか本置き場
「ウォールデン・森の生活」H. D. ソロー
諸君にこれだけは言いたい。できるながい間、自由に、束縛されずに生きたまえ。
たぶん、小屋ぐらししてる人はほとんど読んでるだろう本です。
世界的に非常に有名な本で、湖畔に小屋を立ててぽやぽや暮らしてるおっさんの話です。
現実には、ソローは2年くらいしか森で生活してないし、ママンに洗濯物を洗ってもらっていたので、ガチの隠者界隈では「ニセモノ」扱いされています。
ともあれ、一級の知性と森暮らしの雰囲気が感じられるので読んでおいて間違いない本です。
→自然のなかの暮らし、孤独の自由を学ぶことができます。
「ニーチェ みすからの時代と闘う者」ルドルフ・シュタイナー
同情を必要とする人は、ひとりで立っていることができない。自由な精神は、自分だけで立っていたいと思う。
シュタイナーといえば「シュタイナー教育」や神秘主義で有名ですが、そんな人物がニーチェについて解説した本です。
けっこうニーチェの著書は書きなぐるようなスタイルで読むと頭がくらくらしてくるのですが、シュタイナーのような聡明な人が解説してくれると理解しやすい。
ニーチェがリタイア生活向きなのか? ということですが、彼は現代個人主義のルーツのようなところがあり、「自分は自分の人生を生きるんだ」という人には大変向いた思想家であります。
→自分の判断で主体的に生きる方法を学ぶことができます。
「モモ」ミヒャエル・エンデ
児童作家であるミヒャエル・エンデが描いたちょっとSFっぽいファンタジー作品です。
イタリア・ローマを思わせるとある街に現れた「時間貯蓄銀行」と称する灰色の男たちによって人々から時間が盗まれてしまい、皆の心から余裕が消えてしまう。しかし貧しくとも友人の話に耳を傾け、その人に自信をとりもどさせてくれる不思議な力を持つ少女モモが、冒険のなかで、奪われた時間を取り戻すというストーリー。(モモ (児童文学) - Wikipedia)
「いまここ」に生きることが大事なのだ、と学ぶことができます。私がはじめて読んだときはけっこー泣いた思い出がある。
ここで挙げた本のなかではバツグンに読みやすく、一方で児童文学の割にかなり読み応えがあります。
→時間の大切さを学ぶことができます。
「悪魔との対話」ブッダ
悪魔「子ある者は子について喜び、また牛のある者は牛について喜ぶ。人間の喜びは、執着するよりどころによって起こる。執着するよりどころのない人は、実に、喜ぶことはない」
仏陀「子ある者は子について憂い、また牛のある者は牛について憂う。人間の憂いは、執着するよりどころによって起こる。執着するよりどころのない人は、実に、憂うことはない」
基本的に仏教はリタイア向きです。
日本的な仏教はちょっと変態化しすぎてるので、初期仏教を読むのがいいかと思います🤣
仏教は宗教というよりは「自由の哲学」であることがわかると思います。ブッダがめちゃくちゃ嫌ったのは「執着」であり、執着をなくしたところに自由=解脱があると教えます。
中村元の訳した初期仏教ならなんでもいいと思うのですが、「悪魔との対話(サンユッタ・ニカーヤ)」はいろんな悪魔と議論して打ち勝つ話であり、古代ギリシャの哲学書っぽい雰囲気で理解しやすい。
→執着やしがらみから解放されることができます。
「マズローの心理学」フランク・ゴーブル
究極的な心の平安を願うなら、音楽家は音楽を、画家は絵を、詩人は詩を書いていなければならない。人は自分のなり得るものになる必要がある。
私がめちゃくちゃ影響を受けた本がこれです。「欲求段階説」で有名な心理学者のマズローを解説した本。
一般に心理学といえば「病人」の研究が多かったのですが、マズローは逆に自己実現している「例外的健康者」に焦点を当てた人物です。
どーすれば人生を楽しく自由に生きられるか? がよく描かれています。
大学の図書館で出会い、私を読書に目覚めさせた本で、好きすぎて3冊買った。
→自己実現できるライフスタイルを考えるきっかけになります。
終わりに
「それってリタイアと何の関係があるの?」
と感じるチョイスだったかもしれません。
私はリタイアするにあたって直接リタイア関係の本を読んだことがないんです(ブログはたくさん読みましたが)。
リタイア生活って、経済的なことばかりが注目されますが、それよりも人生態度や自己実現などの要素が大きいと考えています。なので、意外と哲学や心理学に良い本が見つかるのではないかと思います。
ともあれ、世の中に本ほどコスパのいい物はありません。みなさんの素敵な読書ライフの一助になれば幸いです。
「こんな本がおすすめだよ!」というのがあればぜひ紹介してくださいね😘