「セミリタイア者は怠け者だ!」
とよくいわれます。
でも、実は「あくせく働く会社員」こそ怠け者なのかもしれない。
「3つの怠け」とリタイア者
チベット系の仏教者は怠けには3つあるといいます。
1.先送りーふつーの怠けです。私たちは必ず死にます。だから死を認識して、ダルマ(法、正しい行い)をしなさいとブッダはいいます。
2.超忙しい――「バリバリ働く。あれを買う。これも買う。今日はあっちにいって、明日はまたでかける。ステキな人に会い、出世をし、有名になっていく……」これも怠けであるとされます。「結局はなにをしてもなにを得ても満たされない」のが現実であり、それに気づかないのは怠惰なのです。
3.自己否定――「自分なんてなにもできない」「ダメ人間なんだ😢」と思うことです。「どーせなにもできないんだ」という人は行動しません。行動しなければ何も起きません。現代は競争社会のせいか、この手の人が増えてます……🤣
(参考:https://thubtenchodron.org/1994/01/far-reaching-attitude-overcome-laziness/)
「超忙しい」のは世間的には「良いこと」とされますが、ブッダにいわせれば怠け者なのです。
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怠けとは「やるべきことをやらないこと」
さいきん好きなスマナサーラ氏もこんなことを書いています。
「怠け」には、世間的な意味と出世間的な意味とがあります。
例えば、自分の子供が病気になったり母親が病気で死にかけていても休まずに仕事に行くと、「怠けずによくがんばるね」と言うでしょう? 本当にやらなくてはいけないことを置いてでも会社に行くような人を、「怠けない」とほめるんです。それは、怠けずにがんばることではないんです。その人は、やらなくてはいけないことをやってないのだから怠けているのです。それでその人の人生に、色々と損害が起きるのです。会社は、自分の命ではないのです。自分の人生とは何なのかという、そこら辺を考えてないのです。世間では、一般的な「怠け」についてさえ、ちゃんと理解していないということですね。
……仏教にはもう一つ、出世間的な「怠け」の定義があります。出世間の「怠け」の定義というのは、「感情に振り回されて生きていること」なんです。
商売がうまくいって、すごく元気になって、昼も夜も関係なくがんばる。店を一軒出して成功したら、二軒目も作る、三軒目も作る。そうやってドンドンお金儲けをする。そういうのもやはり、仏教の出世間的な定義では「怠け」なんです。
……真理の立場から見れば、その人が何かを得るのかというと、何も得ることはないのです。ただ、たくさんの店を作って、暇もなく忙しくなって、歳を取って死ぬ。それで終わってしまうのです。……色々とあれこれ振り回されただけで、何も得たものはなく、死んでしまうのです。(「怠け」の正体 | 日本テーラワーダ仏教協会)
仏教って「苦しみの根源を取り除く」のが目的ですからね。
会社員が、労働という苦しみから目をそむけて、それをうやむやにして日々を過ごす。
これも一種の「怠け」となる……🤔
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「欲望」がなければ怠けもない
スマナサーラ氏はYouTubeで「個人事業主ですが怠けグセが直りません」という相談に答えてました。
そこで印象的だったのは
「欲望がなければ怠けがない」
ということです。
「あれが欲しい。そのために金が必要だ。でも働かない」
これは怠けです。
でも、
「欲しいものがない。金が必要ない。だから働かない」
これは怠けでもなんでもない。
まあ別に仏教関係なくあたりまえの話ですが、世間では「いい年して働かずにぷらぷらして!」と言われるのです。
それはあくまで俗世の価値観なんですね……🤣
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リタイア者はある意味で「勤め励む者」
「怠ることなく勤め励め」
仏典でなんども繰り返されます。
私はこのフレーズがすごくイヤでした。
でも、さいきんはリタイア者は意外と勤勉だと思ってます。
リタイア者は「超忙しい」と「自己否定」は回避できます。
リタイア生活はヒマです。
自分や人生を見つめる時間があります。
そして階級社会や競争社会から離れます。
「自分なんてダメなんだ😢」とはなりにくい。
(意外と、リタイアした方が自己肯定感は高まります)
「人生は短いから思いっきり良いことをしよう、身心を整えて楽しく生きよう」
と考えられるようになったら、社畜よりずっと「勤め励む者」なのかもしれない。
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終わりに リタイアしたらGoTo涅槃しよう
「仏教いいなあ」
とさいきんと思ってます。
宗教的なイメージがありますが、初期仏教は意外と合理的で実践的です。
昔から日本の隠遁者の多くは仏教を愛しました。
リタイアしたら仏教を勉強してみるといいかもしれません。
「怠け者の社畜」から
「勤め励む無職」になりましょう……😘
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