この議論にケリをつけたい😠
- 新築一戸建て ハイリスク・ローリターン
- 賃貸 ローリスク・ゼロリターン
- 中古一戸建て ミドルリスク・ミドルリターン
結局中古一戸建てがよいと考えています。
前回も記事を書きましたが、「持ち家か賃貸か」もっと考えてみることにしました。
「賃貸」も「新築一戸建て」も搾取される
エゲツないのは「大家」より「ハウスメーカー」
「持ち家か賃貸か」という議論になると、暗に「新築一戸建て」が前提とされることが多いです。
- ローンで35年は金利がもったいない
- 年収の何倍ものする家を買うのはリスキー
- すぐに資産価値が落ちる
これらはまったく正論です。
「新築一戸建てか賃貸か」であれば、賃貸の方がオトクなことがあるかもしれません。
知ってる人は知ってることですが、日本で超エゲツないビジネスをしてるのは「ハウスメーカー」です。新築一戸建ての粗利は30~40%、場合によっては50%もあるとされています。2000万円の家を買ったら1000万円は工務店やハウスメーカーの利益となる。
(参考:工務店・ハウスメーカーの利益は、儲けは、利益率はどれだけとの相談が)
さらに長期の住宅ローンを利用すれば、銀行にも搾取されることになる。
したがって新築一戸建てとは「契約の判を押した瞬間に数百万円損する」というような代物であり、とても経済合理的な判断とは言えません。
(実際ご近所トラブルなどで購入後数年で売る場合、500~1000万円損することはざらにあります)
じゃあなぜ人はリスキーな新築一戸建てを買うんでしょうか……🤔
(国交省:平成30年度 住宅市場動向調査 ~調査結果の概要~ )
「気持ちいいから」です😂
これが「新築一戸建て信仰」なんでしょう。
「暴利」があるところには必ず「信仰」があります。信者と書いて儲ける。
広告やマーケティングによって、「新築はすばらしい」「新築を買うのが当たり前だ」「中古物件は恐ろしい」」「恥ずかしい」と考えるよう私たちは洗脳されていくのです……😱
賃貸は損するさだめ 「ローリスク・ノーリターン」
大家に「貢ぐ」のが賃貸です
じゃあ賃貸物件がいいのか。
というと、やはり大家に搾取されていることには変わりません。
「賃貸は大家が固定資産税を払ってるから得してる」
世の中にはマジでこう信じてる人がいます。私が投資を始めたらぜひ住んでほしいですね……(損してあげるぞ!😘)
ひとつのモデルを想定してみます。
- 大家が2億円でアパートを購入したとします。10人の入居者が年間120万円払います。諸経費に20万円かかって、実質利回りは5%とします。
- 大家は20年間でアパートの投資資金を回収し、あとは利潤になります。
- 大家は30年間アパートを保有して、アパートの資産価値は3000万円です。
- 大家は1億3000万円儲けたことになります。
クソほどツッコミどころの多いモデルでゴメンナサイ(書いてて頭痛くなってきた😫)
さて、大家の1億3000万円の儲けはどこからきたんでしょうか?
10人の入居者が払ったことになります。つまり、30年間家賃として払った3600万円のうち、ひとりあたり1300万円、年間40万円ほど大家に利益をもたらしたことになります。
◆
当たり前ですが、「大家は金が儲かるから」投資するので、借り主は基本的に損します。
大家は消費者に部屋という商品を貸し付けて利益を得ます。消費者が販売者より得することは基本的にありません。
したがって、賃貸住みは一言で言うなら「ローリスク・ノーリターン」です。持ち家は最悪でも土地が残りますが、賃貸住みはどれほど長く住んでもコンロひとつ自分の資産になりません。
もちろん杵築市のような家賃相場崩壊の物件もあるでしょう……😭
ただ、それは例外です。社長が損して社員が儲けるような会社がなかなかないのと同じです。
あとは借り上げ社宅や家賃補助が出るなら賃貸の方がいいケースもあると思います。
ネット世論は「大家連合」と「ハウスメーカー帝国」の争い?
ネット世論では「持ち家vs賃貸」の議論が「新築一戸建てvs賃貸」の議論にすりかわることが多いです。
たしかにそれなら「いい勝負」になるかもしれません。
- 新築一戸建てはハイリスク・ローリターン
- 賃貸はローリスク・ノーリターン
で、一長一短です。
結局は、この論争はハウスメーカー(+銀行)と大家(+不動産屋)のカモをとりあうプロパガンダ合戦のように思えてきます。
「叫び声のあがるところによき認識はない」と古代ギリシャのだれかが言いました。
「2つしか選択肢がなければ、3つ目を選べ」とユダヤ人のことわざにあります。
隠れた道を探すべきでしょう。
中古戸建はなぜ経済合理的なのか
結局、中古戸建がベストだと感じています。
中古住宅は「ミドルリスク・ミドルリターン」です。(新築一戸建てより「リターン」が大きいのは比率の話です)
中古戸建の良いところは、購入費用における土地価格の比率が大きいことです。日本では築30年を超えた物件はほとんど土地値となります。建物が朽ちても土地の価値は変わらないので、資産が残ることになります。
「木造家屋は30年が寿命」と一般的に考えられていますが、実際の寿命は50年以上という説があり、手入れすれば何十年か住めるでしょう。
また、固定資産税についても年間数万円とゲロ安です。さらには、仲介手数料は売買価格で決まるため、安い物件ほど中間マージンを抑えることができます。
中古戸建は非常に合理的な買い物なのです。
これに目をつけているのが戸建て投資家であり、彼らはだいたい利回り20%前後(たとえば300万円で買って5万円で貸す)を目標にしています。つまり、5年で投資資金を回収できるということです。
おまけに、築30年の物件が築35年になったところでたいして値段は変わりません。うまくリノベしたり、オーナーチェンジ物件(入居者がいる状態で投資家に売る)のであれば、買値より高く売れることも少なくないでしょう。
かなり割のいい投資といえます。
150万円ハウスは3年住めば「もとがとれる」
私の150万円ハウスは、諸費用込み170万円で購入しました。
150万円ハウスの購入時に仲介業者に払った金額は10万円以下であり、ほとんど中間マージンはありませんでした。
現状、特に手を入れなくても住めています(庭の除草、網戸の張替えくらい)。
私がこの家を買わずに賃貸アパートで月6万円払っていたとすると、年間72万円得する計算になります。ただし、「持ち家の維持費」を考えて60万円の得としましょう。
こう考えると、3年住めば購入資金を回収できたことになります🤔
仮に5年住んでだれかに100万円で売ったとしましょう。
(60x5)+100ー170=230万円
アパートに住んでいた場合と比べて230万円得したことになります。
「35年住めば修繕費に550万円」は本当か
「35年住めば修繕費に550万円かかる」
と言われています。
「持ち家は修繕費がかかるんだ! だから賃貸は得なんだ!」とよく言われます。
この550万円という数字はアットホームのアンケート統計で出ているようです。(「新築一戸建て購入後30年以上住んでいる人に聞く『一戸建て修繕の実態』調査」の結果」PDF)
おもしろい統計なんですが、これを読んで気になるのは修理repairと改装reformが混同されていることです。
自動車と同じように、めちゃくちゃ愛着をもってあれこれ手を入れる人がいれば「走ればいい」という人がいます。
実際のところ、家を「維持・修理」するだけではお金はほとんどかからないようです。
お金がかかるのは「改装・改修」であり、「塗装が色あせてみすぼらしい」とか「雨漏りが不安だ」「お風呂が古臭くてイヤ」「バリアフリーにしたい」といった改修にお金が飛んでいくことになります。
維持・修理は件数の大半を占めるが、単価は安い。(既存住宅を巡る現状について 江尻 晶彦、河除 智哉 PDF)
維持:外壁破損部の補修、雨漏りの補修、故障したエアコンなどの交換、窓やドアの破損の修理、塀などの修理など
改修:外壁塗装、葺き替え工事、模様替え、水回りのリフォーム、リノベーションなど、機能向上や耐久性向上を目的とするもの
「緊急性の高いヤバいことになってる部位の補修は安くて、予防的改修の方がお金がかかる」……これはリフォーム業界あるあるではないでしょうか?(しらんけど😅)
たとえば以下の例では、見るからにやべー雨漏りの修理は30万円で、外壁塗装は100万円となっています。
内訳としてはLDKの雨漏り関連の補修が30万、壊れてた給湯器やビルトインコンロの交換が20万、外壁塗装が100万、その他が50万という感じ。(茨城に480万円で家を買って東京で働く話 - すぎやまたいちのブログ)
実際、私も投資目的で中古住宅を内見するときには、雨漏りやシロアリはそんなに気にしません。30万円もあればどうにかなるからです。
このあたりは以下のHMのリフォーム担当の話がおもしろいです。
美観ということを無視するならば、予防的なメンテナンスをせずに、異常を見逃さず的確にメンテナンスをしていけば、30年40年とお住まいになることが出来るでしょう。
定期的な塗装などの予防的メンテナンスは車のワックス掛けと同じで、やらなければ艶はなくなりますがそれなりに外観を維持できるものです。とは言え、こう言う私は仕事上、予防的メンテナンスを当然のことのようにお勧めしてますが・・・(笑)
「必要のないものに大金を使わせる」のがビジネスの本質ですが、リフォーム業界も変わらないでしょう。
考えてみると、私の実家も、私が生まれてから30年外壁塗装しておらず、風呂トイレも替えてません……(キッチンはリフォームしてますが)。
もちろんピカピカに家を維持しておけば売却時に有利になるので、リフォームがいちがいに損ともいえません。
自分の家を自分で直す人は意外と多い
自分で修繕できるのが持ち家のいいところです。特に私のようなニートは、時間と体力がありますからね……。
私の150万円ハウスも外壁にチョーキングがあります。業者に見てもらったところ、「まだまだイケる」とのことでした(商売っ気ないですね🤣)
ただ、コーキングの打ち替えは必要とのことなので自分でしようと思ってます。
先のアットホームの統計では、回答者のほぼ半分が「自分で修繕を行ったことがある」と回答しています。
上位5%のDIYerなら大抵のことはできるでしょう😘
終わりに
- 新築一戸建ては経済合理的ではない(ただし「気分」はいい)
- 賃貸も利潤を搾取されている
- 中古戸建は中間マージンが少ない
- 中古戸建は「維持」だけならそんなにかからない
- 自分で「修理・維持」してもいい
以上をまとめると
- 新築一戸建て ハイリスク・ローリターン
- 賃貸 ローリスク・ゼロリターン
- 中古戸建て ミドルリスク・ミドルリターン
となります。
クソ長くなり、前の記事とかぶるところもありましたが、自分でもはっきりさせたい部分だったので熱心に調べました😅
「新築一戸建て」も「賃貸」も得とはいい難く、やはり中古住宅を買うのが経済合理的です。
これが結論です。
もっとも、家は結局ライフスタイルの問題です。「どうしても新築がいい」「リスクをとりたくないから賃貸がいい」いろいろあると思います。(たとえばちょー金持ちは賃貸住みが多い)
この記事に書いてあるのは経済合理性の話であって、結局、自分が満足できればなんでもいいのです。
◆
私は不動産投資の経験がないし、家を買ってまだ半年です。経験値はほとんどないので、間違ってるところもあると思います。
5年後には「家なんて買わなきゃよかった」と枕をぬらしてるかもしれません😝
でも、現状は自分の選択にとても満足しています。
みなさんも大家やハウスメーカーに搾取されるのではなく、中古戸建ての可能性を考えてみてはいかがでしょーか?
「隠れた道」を選びましょう😘