私たちは「胃」をつかまれている
胃がクソでかい現代人
大杉栄の「鎖工場(青空文庫)」におもしろいフレーズがあった。
工場の主人の奴は、俺達の胃の腑の鍵を握っていて、その鍵のまわし工合で、俺達の手足を動かしているのだ。今まで俺は、俺の脳髄が俺の手足を動かすものだとばかり思っていたが、それは大間違いだった。見渡すところ、どいつの手足だって、自分の脳髄で左右せられているものはない。みんな、自分達の胃の腑の鍵を握っている奴の脳髄で、自由自在に働かされているのだ。ずいぶん馬鹿気きった話だが、事実は何とも仕方がない。
「消費者」が大量生産されている
「たべもの」にかぎらない
初期資本主義は、必要なもんをつくりゃー売れた。
食料、衣類、洗濯機、電子レンジ、自動車。
しかし、それらがいきわたると、ひとびとは満足しはじめた。
- ご飯はおなかいっぱい食べたら満足する
- 洗濯機は1台あればおk
そこで「広告」が大事になった。
広告はひとびとの胃を拡張した。
食料や家電のような「必需品」だけでなく……。
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