「おすすめの本を教えてちょ」
という声が(びみょーに)あるので、今年読んだ本の紹介をします😘
リタイア者におすすめブック
関連記事には、その本を読んで影響を受けた記事を載せてあります。
じゅうぶん豊かで、貧しい社会/ロバート・スキデルスキー
私の人生の目的はもっともっと金を稼ぐことだというのは、食べる目的はもっともっと太るためだと言うようなものである。
「もう俺たちって豊かだからこれ以上富を追いかける必要なんてなくね?」という本です。
スキデルスキーは、幸福に暮らすために必要なものとして
- 健康
- 安定
- 尊敬
- 人格または自己の確立
- 自然との調和
- 友情
- 余暇
をあげています。
これには私もまったく共感できます。
著者はケインズ研究の権威で、彼の息子である哲学教授、エドワード・スキデルスキーとの共著になっています。
超大物の学者だけあって、ちょっとインテリ臭い楽観主義が否めないが、内容はとってもおもしろいです。
おすすめ度:★★★★★
関連記事:いくら稼げば「十分」なのか?
隠された奴隷制/植村邦彦
私たちは今、資本主義社会に生きている。その日々の暮らしの中で「奴隷制」という言葉に出会う機会はまずない。しかし、実は「奴隷制」と資本主義には密接な関係があることを、あなたはまだ知らない。
たまたま図書館で見つけた本ですが、読んでかなり興奮しました。
私が言いたいことがだいたい書かれてます。
かんたんにいえば、「社畜=奴隷」ってことです……😘
本の最後で、彼は「奴隷の抵抗手段」として「サボタージュ」をあげています。
自分たちが暮らしていくために必要な時間を超えて長い時間働くことをやめる。やめさせる。一日の労働時間をたとえ一時間でも短縮するために、そして自分の「自由な時間」を少しでも長く確保するように、自分にできることをする。それが、私たちが奴隷でなくなるための第一歩なのである。
これはまさに私の生活です……😭
社会契約論からはじまるので前半は堅苦しいが、読む価値はあります。
おすすめ度:★★★★★
関連記事:「会社員は奴隷」という自覚を持ちましょう
隷属なき道/ルトガー・ブレグマン
現代のわたしたちにとって、賃金労働者が最も重要な存在でなくなった未来社会を想像するのは難しい。しかし、状況の異なる世界を想像できないのは、単に想像力が乏しいためであって、その変化が起きないという証拠にはならない。1950年代には、やがて冷蔵庫や電気掃除機、そして何にもまして洗濯機が発明されて、記録的な数の女性が職場に進出するといったことは、想像できなかった。にもかかわらず、そうなったのだ。
「人類はもー十分豊かです、これからも豊かになります。AI化で労働はオワコンです、ベーシック・インカムに移行しましょう」
という本。
「貧困でIQが13下がる」などおもしろい研究報告が多数引用されている。
著者はオランダの歴史学者、ルトガー・ブレグマン。「ピケティに次ぐ欧州の知性」などと言われている。
でも、この本はちょっとがっかりかもしれません。WEB記事からの転用だからか、あまり洗練されてないし、翻訳もいまいち。
ともかく、ブレグマンは超共感できる人物です。
彼は私と同じ1988年生まれ。これからもバシバシ本を出してほしいですね😘
おすすめ度:★★★★☆
関連記事:【悲劇】会社員を続けるとバカになります
経済成長主義への訣別/佐伯啓思
われわれは何のために経済成長を求め続けるのか、その先には何があるのだろうか。こう問うても確かで納得のゆく答えはどこからもでてこないであろう。それなのに、われわれは見事なまでに成長幻想もしくは成長主義に囚われている。きわめて長い人類の歴史のなかで、物的な意味でこれほど豊かになり、そして、これほど高度に個人的な自由を享受している時代はない。にもかかわらず、今日われわれは、いっそうの豊かさと自由とを求めるあげくに成長主義に捕捉され、たいへんに窮屈な経済の論理の中に収監されている。
京大名誉教授の書いた本。
これも、スキデルスキーやブレグマンとだいたい論調は一緒。
私たちはもう豊かだし、あくせく働いて金を求めるのはバカげてるってことです。
ただ、彼のおもしろいのは反個人主義なんですよね。
なので個人を単位とするベーシック・インカムではなく、日本近代以前(あるいは近代初期)の家族的・共同体的関係への回帰に彼は理想を見出しています。
ここは保守思想家っぽいところですね~。全体的にすごくおもしろい本だけど、そこだけはなじめないかな😅
おすすめ度:★★★★☆
幸福について/ショーペンハウアー
ほとんど、あるいは、まったく輸入せずにすむ国がいちばん幸福であるように、内面の富を十分に持ち、自分を楽しませるために、外部からくるものをほとんど、あるいはまったく必要としない人間がいちばん幸福である。こうした供給は経費がかさみ、輸入国を従属的立場にし、危険をもたらし、不愉快な気分にし、結局、自国の土地でできた産物の貧弱な埋め合わせにしかならないからである。
「俺たちのショーペンハウアー」の本😍
原題は「Aphorismen zur Lebensweisheit」であり、「賢く生きるための指針」といった意味。
哲学者の書いた本ですが難しくはありません。
リタイア者というか、隠遁生活を望む人、社会に対して失望をもつひとに読んでほしい本です。
大学時代からなんども読んでるちょーいい本です。私のような「陰キャ」は読むべし……。
おすすめ度:★★★★★
罪と罰/ドストエフスキー
おれは<全体の幸福>が実現されるまで待ちたくない。おれだって生活がしたい、それができないなら、生きないほうがましだ。
古典オブ古典。
「天才は凡人を殺してもいいんだぞ🤗」
というやべー思想を持つ貧乏学生のラスコーリニコフが、マジで人を殺しちゃった。
それで理想と現実の葛藤に悩んだり、刑事とバトルしたり、妹がクソな金持ちと結婚しそうになったり、娼婦にひざまずいたりする、ハラハラドキドキのスペクタクル小説です。
これの何がいいって、「貧困」がよくわかることです。ドストエフスキーは貧困を描くのがうまい。
私のような貧乏リタイア者の「貧乏」なんてたかが知れてることがわかります。
(ちなみに私はスヴィドリガイロフが大好き😘)
おすすめ度:★★★★☆
ニコスマス倫理学/アリストテレス
実際、身体的快楽を慎み、かつ慎むことそのことに喜びを感じる人が節制の人であり、慎むことなどいやだと苦痛に感じる人は放埒な人である。
退屈そうなので遠ざけてましたが、リタイアして退屈なので読みました🤣
プラトンを読んで「古代ギリシア哲学ってつまんねーな」と思ってましたが、アリストテレスはめちゃおもしろかった。
アリストテレスといえば「中庸」が有名ですが、この本を読むと「たしかにほどほどがいいんだなあ🤔」となります。
「ああ、莫大なお金なんてなくてもいいんだな……ほどほどの金があればいいんだ」と気づけます。
しかし、2300年前のギリシャのおっさんに共感できるんだから本ってすげーです。
おすすめ度:★★★★☆
人生を<半分>降りる/中島義道
「半分降りるって、セミリタイアじゃん」と思ってブックオフで買った本。
著者は哲学教授だが、わりと自由な身分なので、大学でちょちょいと仕事して、あとは社会と関わらず暮らすのが理想らしい。
隠遁系リタイア者には共感できる内容だと思う。
でも大学人っていいよね。個人的にすげー甘やかされた人種だと思う。
中島義道はけっこークソ本が多いが、これはまともな方です。
おすすめ度:★★★☆☆
フィクションが現実となるとき/カレン・E・ディル-シャックルフォード
人は自分が操作されている(メディアによって検閲され、制限され、影響される)と感じたくないという理由で、実際に自分たちを操っている、それもお金儲けのために操っている人々を擁護してしまう。
メディアが私たちをいかにコントロールしているか? を書いた本。
「広告ってクソだな〜💩」と思って図書館で手にとりました。
特に気に入った記述は
私たちは本当に、自分がすることをなぜするのか、わかっていない
そのとーり🤣
内容は平易で読みやすいけど、新しい本のわりにはあまり新しい情報がなく、新鮮味にかける感がある。
おすすめ度:★★★☆☆
日本の納税者/三木一義
大半の給与所得者は申告をする必要がなくなり、自動納税マシーンとなり、税制に無自覚になってしまっているのである。
「税金払いたくね〜」と思って読んだ本。
読んだ後も「やっぱ払いたくね〜」となります🤣
税法って、もっとも難しい法律のひとつとされており、弁護士でもよくしらないらしい。
ざっと税のシステムを知るなら、この本と、同著者の「日本の税金」を読むといいでしょう。
ほんとうは「税のタブー」が読みたいんだけど、近くの図書館に置いてない。
ともあれ、税金に関しては、この人の本は間違いないと思います👍
おすすめ度:★★★☆☆
終わりに 知識に「投資」しよう
「は? 俺はリタイアしたいんだぞ。投資とか資産運用の本とかないのかよ😡」
というかもしれません。
でも、「最大の投資は知識への投資」といいます。
お金がなくても、知識があればハッピーに暮らせます。
お金はなくなったり盗まれるが、知識は奪われませんから。
図書館は宝物庫です。
たくさん知識を身に着けて、クソな社会を生き抜く「パワーニート」になりましょう……😘
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